2008年1月28日月曜日

書評 オープンビジネスモデル 知財競争時代のイノベーション

書評です。

ハーバード大学教授のチェスブロウの著です。さすがにクリステンセンとともに、ハーバードのイノベーション論の大家の書いた本は面白かったです。イノベーション論はじぶんの直接の専門ではありませんが、これからの経営(とくに製品・サービス差別化戦略をとている企業)にとっては、切ってもきれないものなので、勉強しておいて損はないと考えます。

まず、オープンビジネスモデルに先立ってオープンイノベーションがあるのですが、それは、自社の知識を外の社会に対して開放するか(イン・アウト)、もしくは外の知識を用いて自社内の知識と相互作用を起こさせてイノベーションを起こすか(アウト・イン)で行います。

このようなオープンイノベーションが必要になった背景としては、2つ存在して、ひとつはイノベーションにかかわるコストの増大(20年前は、売上高の1%ですんでいたが)現在は、莫大な投資が必要になっていること、ふたつめは、プロダクトライフサイクルが短縮化していて、自社で研究から製品化まですべての機能を抱えることができない点があります。

このように研究開発が効率化されないのは、大きく分けて2つ問題があり、どちらも断絶に根ざしています。ひとつはプロセスの断絶であり、研究開発と事業部組織が、プロセスの観点で断絶していることがあります。もう一点は、予算の断絶であり、研究開発の予算が、事業部の予算から完全に独立していることがあります。このようにあえて分けているのは意味があり、通常は研究開発の創造性を担保するためですが、完全に断絶してしまうとマネジメントが行われず、効率化の観点で問題が出すぎてしまいます。

このオープンビジネスモデル(オープンイノベーション)を進めていくにあたっていくつかの問題がありますが、一番大きいものはやはりNIHシンドローム(Not invented here)による技術者の外の知識に対する忌避感情です。これを克服することがオープンビジネスモデルの導入には不可欠であり、組織的にサポートが必要です。

実現化にあたっては、2つの手法があり、ひとつは近年発達してきている知財の売買を行っている企業から、自社に必要な知識を購入する方法、もしくは大学関係者と密接に連絡を取り合うことです。

オープンビジネスモデルには6段階の成熟度モデルがあり、最も成熟度が高いレベル6の企業には、ウォルマートや、デルが挙げられています。

個人的は、面白い観点で、オープンソースと自分の関心である提携戦略とグローバル開発との関連などもあり、自分の研究に取り入れていきます。

0 件のコメント: