2007年5月25日金曜日

イノベーションへの解:ジレンマを超えて

クリステンセンの大ベストセラーのイノベーションのジレンマには、続編がいくつか存在します。イノベーションへの解は、そのなかでも前作のジレンマで示した、破壊的技術の理論を用いて、以下にコモディティ化を回避するか、戦略に落とし込むかを示した本になります。

持続的技術とは、現在の技術の延長線上にある技術であり、個別例としては、Playstation2に対するPlaystation3などがあります。Playstation3は基本的な技術思想は、Playstation2と変更がなく、それぞれの要素のスペックを向上させたものになります。


それに対して、破壊的技術とは、現在の技術ベクトルの延長線状にはなく、まったくあたらしい価値を顧客にもたらすもので、従来の技術はほしかったけれども、料金が高くて手が出なかった顧客や、従来の技術の機能には十分すぎるほど満足しているにも係らず、料金が高いことを気にしていた顧客にとって受け入れられ、持続的技術の市場を破壊します。
具体例としては、任天堂のwiiがよく挙げられ、スペック的には決してPlaystation3にかなわなくても、今までPlaystation2に手が届かなかった人たちに圧倒的な支持を受け、トップをひた走っています。

イノベーションの解のメインテーマである、ではどうすれば経営管理にこの理論を埋め込めるか、ということに対しても記述があり、ミンツバーグの創発戦略理論とのからみで論じられています。つまり、持続型の技術開発戦略を戦略に取り込む時は、従来の戦略論の意図的戦略として、年次の経営計画書で計画し、逆にどのような技術が主流になるかわかりづらい破壊的技術を戦略に取り込むのは、創発戦略として、その都度戦略に取り込むことがのぞましいのです。最初から100%完全に未来を予想した戦略は立てようがなく、技術革新の不確実性が高い領域では、むしろボトムアップにも目を配り、ステージゲートセオリーなどの技術戦略マネジメントで、有望なものを統合化・全社戦略に取り込んでいくべきと考えます。

その他、製品アーキテクチャ(モジュラー型/インテグラル型)との関係性において、破壊的技術、持続的技術が論じられてもおり、前作に引き続き、非常に興味深い書籍です。

0 件のコメント: